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津田 修一; 佐藤 達彦; 遠藤 章; 佐藤 大樹; 高橋 史明; 佐々木 慎一*; 波戸 芳仁*; 岩瀬 広*; 伴 秀一*; 高田 真志*
no journal, ,
重イオンによる生物効果を細胞・生物照射実験データに基づいて評価するためには、二次的に生成される種々の荷電粒子に対するエネルギー付与分布情報は重要である。本研究では重イオン照射によって人体代替物質内に生成される二次荷電粒子、特に精密な測定の困難な高エネルギー電子(線)によるエネルギー付与分布測定用の計測器を製作した。50m径のステンレス製ワイヤーで囲まれた微小な有感領域を有する壁なし組織等価比例計数管(TEPC)は、容器内を筋肉と元素組成について等価なガスで満たし圧力を変えることにより、細胞レベルの領域内のエネルギー付与分布を測定可能である。Cm-244線源等を用いて本TEPCのガス増幅率,線エネルギー分布データ等を測定した結果、本TEPCは重イオンビーム照射実験に適用可能であることがわかった。
今園 孝志; 鈴木 庸氏; 佐野 一雄*; 小池 雅人
no journal, ,
磁気円二色性測定等では内殻電子を偏光軟X線源で励起しているが、偏光を扱うような実験では励起光の偏光状態に関する情報をあらかじめ取得しておくことは極めて有用である。そのためには偏光素子による偏光測定を行う必要があるが、軟X線領域、特に、磁性元素吸収端近傍(0.70.9keV)ではSc/Cr等の多層膜型素子やダイヤモンド等の結晶型素子等の既存の偏光素子は適用領域から外れているために偏光評価を行うことはできない。そこで、当該領域で機能する偏光素子の開発や偏光測定を行うために、回転検光子型の偏光解析装置を開発し、立命館大学SRセンターの軟X線ビームライン(BL-11)に設置した。講演では、装置の仕様の詳細,反射率測定等の性能試験の結果について報告する。
阿久津 恵一*; 原 嘉昭*; 中岡 鑑一郎*; 山本 博之
no journal, ,
-FeSiの形成過程において、周囲にSiが存在することで発光特性が向上することが知られている。われわれは、-FeSiよりSiを多く含む-FeSiから共析反応によって得られる-FeSiとSiの共析混合物において、これまでに報告のないバルク結晶からの1.5mにおける明瞭な発光を見いだした。そこで、この試料についてPLスペクトルの温度依存性を測定するとともに、発光強度を向上させる-FeSiとSiの存在比の最適化を狙い、原材料のFe:Si比を変化させた試料を作製し、PL特性を評価した。Fe:Si=3:7のPLスペクトルでは1.5m帯からの明瞭な発光の温度依存性を測定することができたが、ピーク波長の温度依存性の解析から、-FeSiからの発光だけではないことが示唆された。またFe:Si=2:8のPLスペクトルでは1.5m帯からの発光は極端に弱くなり、Siからの発光が支配的となることから、より過剰なSiの存在は-FeSiからの発光を妨げることがわかった。
Mao, W.; 若谷 一平*; 山田 洋一; 江坂 文孝; 山本 博之; 社本 真一; 山口 憲司; 鵜殿 治彦*
no journal, ,
-FeSi単結晶表面上にホモエピタキシャル成長などを行うためには清浄でよく定義された単結晶表面を得る必要がある。本研究では850Cまで加熱した-FeSi単結晶表面について低エネルギー電子線回折(LEED),走査型トンネル顕微鏡(STM)を用い、表面構造の変化について検討を行った。LEEDの結果からいずれの面においても加熱により表面再構成が生じていないことが明らかとなったが、STMの観測からは表面欠陥が多数存在することが確認された。さらに表面組成の変化についてX線光電子分光法や二次イオン質量分析法などの結果を併せて議論する。
匂坂 明人; 大道 博行
no journal, ,
超短パルス高強度レーザーと物質との相互作用により、高エネルギーのイオンや電子,硬X線,高次高調波,テラヘルツ(THz)波などがほぼ同時に発生することはよく知られている。ただし、それぞれのビームを同時に発生させ利用に供するためには、両者を同時にモニターし、目的に応じた発生の最適化を目指した研究が必要である。複数のビームを用いてポンプ・プローブ等へ応用することが筆者等により提案されている。日本原子力研究開発機構設置のチタンサファイアレーザー(JLITE-X)を用いて、チタンの薄膜ターゲット(厚さ5m)に照射した。レーザーのパルス幅は100fsであり、集光強度は、ビームウエストで210W/cmであった。ターゲット裏面方向に発生する陽子をTOF分析器により測定した。また、レーザー反射方向に発生したTHz波を、ボロメーターにより計測した。そして、ASE成分のメインパルスより先に到達する時間幅を調整し、陽子とTHz波発生の依存性を調べた。最適化を行った結果、ASE成分の時間幅を0.5nsまで短縮することで、陽子とTHz波が同時に発生していることがわかった。
若谷 一平*; 落合 城仁*; 鵜殿 治彦*; 永野 隆敏*; 山田 洋一; 山本 博之; 江坂 文孝
no journal, ,
-FeSi単結晶基板上に良質なホモエピタキシャル膜を成長させることを目的とし、-FeSi基板上の膜成長初期におけるFeとSiの組成ずれや基板表面処理の成膜への影響について検討した。Siのみ及びFeのみを蒸着した基板表面の原子間力顕微鏡(AFM)像の結果から、Siは粒状に凝集して成長しているのに対し、Feは穴が空いているがほぼ表面全体を覆っていることがわかる。さらに供給比Fe:Si=1:3.3及びFe:Si=1:1.2で同時蒸着成長させた場合は、組成がSiリッチ側にずれると粒状に成長し、Feリッチ側にずれると平坦にはなるが穴が目立ち、供給比が表面状態に大きく影響していることが明らかとなった。
豊川 弘之*; 平出 哲也; 友田 陽*; 石橋 寿啓*; 菅谷 聡*; 鈴木 良一*
no journal, ,
材料の脆化などには格子欠陥や転位,不純物元素などの存在などが大きく関与しているが、それらの影響は十分に理解されていない。これらを解明することは、原子力分野などにおける材料開発にとって、信頼できる材料劣化予測モデルを構築するために重要である。物質に1.02MeV以上の高エネルギー光子を照射すると電子・陽電子対が生成する。MeV領域のレーザーコンプトン線を直径数mmにコリメートし、それを用いて物質深部に針状の陽電子分布を形成する。これを用いて物質深部で陽電子消滅法による分析を行い、格子欠陥や陽電子生成断面積の測定とその可視化が可能となる。本手法は大気中や高温高圧,水素曝露下などの環境下において、材料深部が測定できると期待される。そこで本手法の実証実験を行った。産業技術総合研究所において、直径5mmにコリメートした9.1MeVのレーザーコンプトン線ビームを、鉄筋を挿入したコンクリートブロックへ照射し、透過像と陽電子生成像をCTで測定し、画像として表示することが可能であることがわかった。また、欠陥を大量に導入した金属サンプルを用いて陽電子Sパラメータ測定を行い、格子欠陥の測定を試みた。
豊田 祐司; 西 孝樹; 村上 洋; 菜嶋 茂喜*; 細田 誠*
no journal, ,
タンパク質はテラヘルツ(THz)波領域に原子集団の協同的運動に起因する低周波振動を示し、タンパク質の生体機能に役割を果たすと考えられている。水溶液試料では、水からの背景信号が大きく、タンパク質起因の信号を得ることが困難なために、凍結乾燥試料を対象にTHz分光や中性子非弾性散乱により測定されてきた。しかし、タンパク質は水溶液中で機能を果たすために、水溶液を対象にした測定が必要である。そこで、われわれはタンパク質ミオグロビン逆ミセルを調整し、THz分光を行った。逆ミセル溶液では逆ミセル中に水溶液が存在でき、溶媒はTHz波の吸収が小さい油であるため、タンパク質起因の信号が得られることが期待できる。測定はTHz時間領域分光法を用い、ダブルセル測定装置の開発とともにデータの統計的解析を実施することでデータの信頼性を向上させた。講演では逆ミセルを用いることによりTHz領域で得られたタンパク質の吸収スペクトルが得られることを示すとともに解析結果を議論する。
小野田 忍; 大島 武; 岩本 直也; 平尾 敏雄; 児島 一聡*; 河野 勝泰*
no journal, ,
耐放射線性の粒子検出器として期待されている炭化珪素(SiC)ダイオードは、質量の軽い荷電粒子(Minimum Ionizing Particles; MIPs)を検出する目的で開発されてきた。これに対して本研究では、MIPから重イオンといった幅の広い質量を持った荷電粒子を検出するために、6H-SiCダイオードを作製し、その電荷収集効率(Charge Collection Efficiency; CCE)を、AVFサイクロトロンにより加速された数百MeVの高エネルギー重イオンを用いて評価した。6H-SiC pnダイオードに対し、56MeVのN(窒素),75MeVのNe(ネオン),150MeVのAr(アルゴン),322MeVのKr(クリプトン)イオンを照射した。印加電圧が高くなるに従い、波高分析スペクトルのピーク位置は高チャンネル側へシフトし、半値幅が小さくなることがわかった。Arの場合、印加電圧が200Vを越え、空乏層の幅がイオンの飛程よりも長くなると、スペクトルのピーク位置がおよそ590チャンネルに収束した。このように、数MeV/uのエネルギーを持つ重イオンの検出にSiCダイオードを利用できることが明らかとなった。
森 道昭; 水田 好雄*; 近藤 公伯; 西内 満美子; 加道 雅孝; 神門 正城; Pirozhkov, A. S.; 小瀧 秀行; 小倉 浩一; 杉山 博則*; et al.
no journal, ,
原子力機構では、大阪大学と共同でレーザー駆動準単色電子ビームの応用に向け、レーザー及びターゲット条件の最適化を進めている。本講演ではこれに関連し、JLITE-Xレーザーで発生したパルス幅40fs・ピーク出力4.1TWのレーザー光を、f/20(f=625mm)の軸外し放物面鏡でアルゴン及びヘリウムgasjet上に集光することで生じる電子ビームを評価しビームサイズがレーザーパワー・プラズマ密度及びガス種に依存することを初めて明らかにした。また最小のビームサイズが得られているガス種・ガス圧・レーザーピーク出力・ガス圧(アルゴン,0.4MPa,4.1TW)の条件において、再現性80%で9.11.0MeVのこれまでのわれわれの研究成果と比較して安定性の高い準単色電子ビームが得られていることも明らかにした。
佐々木 明; 西原 功修*; 砂原 淳*; 西川 亘*; 小池 文博*; 古河 裕之*
no journal, ,
SnやXeを媒質とするEUV-軟X線領域のプラズマ光源は、次世代半導体リソグラフィ技術への応用のために研究開発が進められ、将来の物性研究のための光源としても注目されている。われわれは、原子物理コード(Hullac)によってプラズマ中に存在するイオンのエネルギー準位と、電子衝突や輻射による電離,励起のレート係数を計算し、次に衝突輻射モデルによってイオンのポピュレーションを求めるが、モデルに取り込む原子状態や発光線を系統的に変化させた収束計算を行って、プラズマの放射スペクトルに寄与の大きい過程を漏れなく取り込むようにする。このようにして求めたプラズマの輻射放出・吸収係数を用い、解析的なモデルを用いた効率の評価や、輻射流体シミュレーションによる動作条件の最適化を行う。本報告では、これまでのEUV光源研究において解析を行ってきたレーザー励起プラズマ光源(LPP)に加えて、レーザーアシスト放電励起光源(LA-DPP)のモデリングについても議論する。放電電流,プラズマの形状などに対して、プラズマの温度,密度の時間変化、及びEUV放射強度の振る舞いを、理論モデル及び1次元シミュレーションにより解析する。
山内 俊彦; 竹本 亮*; 管野 善則*; 小林 清二*; 中垣 圭太*; 加藤 初弘*
no journal, ,
これまでレーザー補助RF加熱CVDプラズマに関してハードの面から研究開発を進め、(1)自己発生型ICPパルスの発生発見、及び(2)CCPからICP遷移の原因は温度Teであること等を明らかにした。このRFプラズマ点火時、アンテナコイルに流れる電流の誘導電流が指数関数的にアース側からアンテナコイル内側に流れ、衝突電離してプラズマ密度は増大し、ある損失とバランスして定常ICPとなる。このようなコイル内に発生し遷移中のICPが、ICCDカメラにより初めて白い水平線となって観測され、ICPはプラズマ中心の閉じ込めのよいところ(Teの高い)から成長することがわかり、われわれの以前からの主張が証明された。ICPが成長する前のCCPでは、低密度プラズマがまつわりついた磁力線が観測されたが、ICPでは高密度プラズマの衝突により観測できない。この高密度プラズマ(イオン)は、自己バイアス(アンテナの負電位)により、アンテナに衝突しスパッタリングを起こす。これを抑えるため、核融合NBIイオン源で用いられたアンテナでは、石英ガラスをアンテナにコートするなどの工夫がなされた。しかし、われわれの場合アンテナでなくアンテナコイルのため困難であり、いずれにせよスパッタリングの可能性があるため、直流バイアス印加の有効性について実験を進めた。その結果、正バイアス印加がスパッタリングを抑え、プラズマを改善することが明らかとなった。
高橋 正光
no journal, ,
InAs/GaAs(001)のStranski-Krastanow成長による三次元島の形成機構は、InAs量子ドットの大きさの制御や形状の均一化を目指す観点から重要である。本研究では、放射光X線回折法を用いて、InAs量子ドットのMBE成長をその場測定し、ドット内の格子定数の分布及び高さ・直径の変化の基板温度依存性を調べた。実験は、放射光施設SPring-8の実験ステーションBL11XUで、MBE真空槽と一体化したX線回折計を用いて行った。成長時の基板温度は試料(a), (b), (c)のそれぞれで、478C, 469C, 454Cであった。本測定では、量子ドットの高さと直径を時分割で決められるので、量子ドット1個あたりの体積変化を算出することができる。これに、クエンチ後にAFMで測定した量子ドット密度を掛け合わせると、量子ドットの総体積の時間変化が求められる。今回測定した温度の範囲内で、量子ドットの密度は7倍近くの差があるが、量子ドットの総体積は、成長とともに、同じように増加することがわかった。体積の増加速度は、InAsの供給速度の約1.5倍で、ぬれ層もしくは基板から、成長温度に依存しない量の物質供給があることを示している。
Zhao, M.; 井上 愛知; 山本 春也; 吉川 正人
no journal, ,
水素ガス漏洩検知を目的に、水素曝露によるパラジウム金属薄膜の電気抵抗の変化を調べた。スパッタ法により室温に保持したSi単結晶基板上に作製した10nm以下のパラジウム金属薄膜を試料として用いた。アルゴンガスで希釈した1%水素に曝したときの試料表面の電気抵抗の変化を調べた結果、膜厚6.8nmの試料の電気抵抗値は単調に減少したが、膜厚2nm以下では抵抗が瞬時に増大した後減少する特異な現象が現れた。そこで膜厚2nm以下の試料の表面形態をSEMで観察したところ、数nmのパラジウム粒子が不連続に堆積されていることがわかった。このことから、水素曝露による電気抵抗の変化はパラジウム水素化物の形成とパラジウム結晶格子の膨張による粒子間の接触性の変化に関連することが示唆された。
佐藤 真一郎; 宮本 晴基*; 今泉 充*; 島崎 一紀*; 森岡 千晴*; 河野 勝泰*; 大島 武
no journal, ,
われわれはこれまでに1次元光デバイスシミュレータ(PC1D)を用いたInGaP/GaAs/Ge宇宙用三接合太陽電池の陽子線照射による劣化モデリングを行い、広いエネルギー範囲で電気特性の劣化が再現できることを示した。今回は、電子線照射に対しても同様の手法を用いることで電気特性の劣化を再現でき、放射線の種類,エネルギーによらず本手法が適用可能であることを明らかにした。また、このモデリングでは、ベース層キャリア濃度の減少の程度を示すキャリア枯渇係数及び少数キャリア拡散長の減少の程度を示す損傷係数を放射線照射劣化の指標とするが、これらの放射線劣化パラメータを非イオン化損失(NIEL: Non-Ionizing Energy Loss)を用いてスケーリングすると、系統的な相関性を持つことがわかった。これは、曝露される放射線ごとの各サブセルの劣化度(と)を見積もり、それらを用いて電気特性をシミュレートすれば、実宇宙空間における三接合太陽電池の寿命予測が可能であることを示す。
今泉 充*; 大島 武; Harris, R. D.*; Walters, R. J.*
no journal, ,
InGaP/GaAs/Ge構造3接合太陽電池は宇宙用太陽電池として主流になっているが、今回は、火星,木星などの外惑星探査を想定し、3接合太陽電池の低温・低光強度(LILT)環境条件下における放射線劣化特性を検討した。3接合太陽電池に対して1MeV電子線ないし10MeV陽子線を照射し、出力(電流-電圧)特性の劣化を測定した。照射にはAM0模擬太陽光源を備えた真空チャンバ内で太陽電池の温度を約-130Cに保って行い、電流-電圧特性はこのチャンバ内で所望のフルエンスに到達するごとにその場測定を行った。その結果、室温・通常光強度下における劣化特性と比較すると、低温・低光強度下ではセルの劣化率が大きくなった。また、照射試験終了後約10時間室温にて放置し劣化率を測定すると、室温照射における最終的な劣化率とほぼ一致した。したがって、低温で劣化率が大きいのは、熱による放射線損傷の回復効果が抑制されたことによると考えられる。また、室温放置後の回復が電流:Iscのみに現れている(最大電力:Pmaxの回復は電流の回復による)ことから、この回復は劣化後の電流制限セルであるGaAsミドルセルにて顕著に起こっていることが推察される。
朝岡 秀人; 山崎 竜也; 社本 真一; Filimonov, S.*; 末光 眞希*
no journal, ,
サーファクタントを媒介しSi基板上に格子定数が異なるGeが成長する場合、成長モードが0次元のナノドット成長から、2次元の層状成長に変わる。このような成長形態の変化は、サーファクタントが媒介した表面エネルギーと歪みエネルギーとのトレードオフにより決定される。成長過程のその場測定により、表面構造や成長過程のストレスの遷移を観測し、その成長機構を議論する。
吉越 章隆; 寺岡 有殿
no journal, ,
酸素分子の並進運動エネルギー(Ek)が0.03eV(ガス暴露条件)から0.07eV付近にかけて初期吸着確率(S0)が大きく減少することから、前駆的吸着状態を経由した吸着過程が支配的であると結論した。Ekに伴うS0の変化と吸着状態の時間変化の関係は不明であることから、O1s及びSi2pリアルタイム光電子分光観察を行った。Ekが、0.07eVに増加すると各成分の生成は遅くなるが、生成の順序や時間相関に大きな違いは見られなかった。結果は、ガス暴露の時間変化から考察した表面移動可能な前駆的物理吸着状態が存在し、そこへのトラッピング確率に初期吸着が支配される反応モデルに従うことを示唆している。
吉越 章隆; 寺岡 有殿
no journal, ,
酸素分子の並進運動エネルギー(Ek)が0.07eV付近を越えると、初期吸着確率(S0)が減少から増加傾向に変化することから直接吸着過程が可能となると考えられている。しかし、Ekに伴うS0の変化と吸着状態の時間変化の関係は不明である。そこで、O1s及びSi2pリアルタイム放射光光電子分光観察を行ったので報告する。Ek=0.07eV及び0.15eVの酸素吸着配置及びSi酸化状態の時間変化を比較した結果、insの生成に観られるようにEkの増加に伴い酸素吸着状態の生成が早くなることがわかった。一方、SiとSiが、ほぼ同時に観察され始めるなどSi酸化状態の生成も促進された。前駆的物理吸着状態を経由せず、解離吸着に至る分子状前駆的吸着状態あるいは解離吸着状態への直接吸着の確率が増加したことに由来する観察結果と考えられる。
大島 真澄
no journal, ,
日本応用物理学会学術講演会放射線分科会企画シンポジウム「放射線スペクトロスコピー」において、高分解能Ge検出器を用いた即発線分析に関する招待講演を行う。現在市販の放射線検出器の中で最も優れたエネルギー分解能を持つGe半導体検出器は放射性核種分析等に広く使われているが、中性子放射化分析,即発線分析に適用した際に、分解能,感度が不十分であった。われわれは線同時計数法に着目し、分解能・感度の改善を行った結果、その適用性が確かめられ、同分析法の宇宙化学,環境科学などの広い分野への適用が期待されている。その現状について紹介する。